[e-Book] Chapter 6 -セキュリティトークンとは-What is a Security Token
読者の皆さま、ニュースレターをお読み頂きありがとうございます。
※この配信は日本語のみで配信致します。
今回は、2023年に作成した電子書籍の第6章を配信します。当ニュースレターの導入編となるシリーズです。全8章を順次掲載していきますので、内容が気になる方はぜひご覧ください。皆さまのお知り合いにもこのニュースレターを紹介して頂けますとうれしいです!
全体の目次は以下リンクより参照
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Chapter 6 -セキュリティトークンとは-What is a Security Token
6-1 証券化トークン
Securitization Token
セキュリティトークンとは、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を活用した、有価証券のことです。”セキュリティ(Security)”とは「証券」のことで、「証券化トークン=セキュリティトークン」という意味合いです。
セキュリティトークンの発行には、各国の証券取引委員会の厳正な認可を得る必要があります。セキュリティトークン発行体は、現在の株式上場手続きと同様に有価証券届書を証券取引委員会に提出しなければなりません。
証券取引委員会による厳正な審査を経て、有価証券のひとつとしてセキュリティトークンが発行されています。
6-2 スマートコントラクトの活用
Use of smart contracts
ブロックチェーンなどの分散型台帳技術では、スマートコントラクトという自動処理を組込むことが可能です。
あらかじめ特定の処理をプログラムしておくことで、人的作業を削減できます。証券業務をシステムやトークンにプログラムしておくことで以下のようなことが可能となります;
・トークン転売制限
・投資家条件制限
・手数料設定
・利払い自動化 etc.
6-3 証券化コストを削減
Reduced securitization costs
ブロックチェーンやスマートコントラクトという技術による執行業務自動化により、これまでの金融・証券業界の中間管理コストを圧縮可能となりました。
出典; Entoro Capital (事例;$50MMプライベートエクイティ5年間より)
https://www.finyear.com/Cost-Benefits-of-STO-vs-Private-Placement_a40021.html
— - -
出典; 三菱UFJ信託Progmat_DLTレポート (事例;金融業社1社あたりST取扱残高500億円より)
https://www.tr.mufg.jp/ippan/pdf/sec-dlt2_report.pdf
6-4 さまざまなものが証券化可能に
Various items can be securitized
これにより、これまでコスト面で証券化できなかったような資産(マンションやスタジアム、ホテル、倉庫、飛行機etc.)を証券化でき、流動性をもたせ、資金調達をすることが可能となりました。
セキュリティトークンは、従来の有価証券(株式や債券)と同様に、資産への投資または所有権、金銭受益権などをあらわす金融資産です。さらに特定の権利や議決権の有無も設定して付与することができます。
6-5 ビットコインとは異なるもの
Different from Bitcoin
現在流通しているビットコインをはじめとした暗号資産(仮想通貨)を発行する際には投資家保護という概念は存在しません。
一方セキュリティトークンは証券取引委員会により、投資家保護が確実に実行されることも重要な項目としてトークン発行が審査されます。
6-6 新たな資金調達手段、STO
New financing method, STO
このセキュリティトークンを発行することで投資家から資金調達することを、セキュリティトークンオファリング(Security Token Offering; STO) といいます。
たとえば、企業が新たな事業を開始したり、設備を建設する際に、その事業や設備を裏付けとしてセキュリティトークンを発行し資金調達をします。他にも既存のマンションを信託設定し裏付けとして、マンション家賃収入の分配を得る受益権をトークン化している事例もあります。
6-7 発行市場と流通市場の統合
Integration of Issuance and Secondary markets
現在の株式市場には「発行市場」と「流通市場」が存在します。
これまでのシステム構成では発行市場と流通市場は分離して存在していました。そこにブロックチェーン技術の進歩やそれに合わせた証券規制見直しがされたことにより、セキュリティトークンの発行も流通も統合して扱うATSが登場しました。
このような規制の見直しは米国をはじめとした海外の動きが早いです。セキュリティトークンを扱う企業としては、INXやtZERO、Securitize、polymath、MERJ、LCXといった企業がセキュリティトークンを扱うプラットフォームを展開しています。
またこれらプラットフォームの多くは、自社のセキュリティトークンを発行しており、各プラットフォーム上で売買可能となっています。
一方、日本にはまだセキュリティトークンの発行と流通も統合しているプラットフォームは存在していません。マンションや物流倉庫、温泉旅館などを裏付けとしたセキュリティトークンの発行は、三菱UFJ信託銀行のProgmatや野村ホールディングス主導のBoostryで展開されています。
そしてセキュリティトークンの流通市場としては、SBIグループを主導とした大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が国内展開を進めています。
6-8 投資するには
To invest
セキュリティトークンに投資するには、セキュリティトークンを扱うプラットフォームのアカウントを作成する必要があります。アカウント作成するには、パソコンまたはスマートフォンで必要事項を入力し、本人確認書類をアップロードします。そして数日の審査を経て、アカウント作成完了となります。
海外のセキュリティトークンへ投資する際には、デジタルウォレットが必要となります。日本国内の証券会社経由でマンション等のセキュリティトークンへ投資する場合はデジタルウォレットは不要です(執筆時点)。
セキュリティトークン個別銘柄への投資ステップについては、以下のような検索キーワードでネット検索をしてみてください。記事更新の即時性が高いブログやWebサイトを参照することを推奨いたします。
▼検索キーワード例;
・「INX 投資手順」
以上
the end
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7章へつづく
Continue to Chapter 7
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