[e-Book] Chapter 7 -ネイティブトークンとは-What is a Native Token
読者の皆さま、ニュースレターをお読み頂きありがとうございます。
※この配信は日本語のみで配信致します。
今回は、2023年に作成した電子書籍の第7章を配信します。当ニュースレターの導入編となるシリーズです。全8章を順次掲載していきますので、内容が気になる方はぜひご覧ください。皆さまのお知り合いにもこのニュースレターを紹介して頂けますとうれしいです!
全体の目次は以下リンクより参照
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Chapter 7 -ネイティブトークンとは-What is a Native Token
7-1 サービスを利用するためのトークン
Token to use the service
4章(Link)で紹介したように、業種や産業ごとに、より便利に・安全に・効率的にサービスを展開できる「新たなネットワーク」がインターネット上に複数登場しています。
それらネットワークは分散型台帳技術(ブロックチェーン等)を活用した、Web3に該当するネットワークです。
・「物流業界で役立つ、Aというネットワーク」
・「Web広告業界で役立つ、Bというネットワーク」
・「音楽配信業界で役立つ、Cというネットワーク」
Aというネットワークを利用するには、Aネットワーク(またはAというシステム)が発行している「ネイティブトークン; A-Token」を保有している必要があります。
ネットワークやサービスを利用するためにネイティブトークンが必要であったり、そのネットワーク利用料をネイティブトークンで支払う必要があるものも存在します。利用者は法定通貨を該当のネイティブトークンに交換した上でネットワークの利用ができるということです。
いくつものネイティブトークンが存在しますが、以下にいくつか例示します;
・Xinfin Network; ネイティブトークン「XDC」
・Stellar; ネイティブトークン「XLM」
・Constellation Network; ネイティブトークン「DAG」
・AllianceBlock; ネイティブトークン「NXRA」
7-2 「証券」ではなく「ソフトウェア」
Not "Securities" but "Software"
さきほど紹介したセキュリティトークンは、トークン化された有価証券であり、証券取引委員会の認可が必要となります。
一方、多くの暗号資産は「有価証券に該当するような特性」をもっているにも関わらず、証券取引委員会の認可を得ずにトークンを発行しているため、証券法違反にあたるとして摘発されるケースもあります。
有価証券に該当するかどうかの判断目安として、米国ではHoweyテストというものがあります。以下のようなものです;
[米国Howeyテスト概要]
1.お金の投資であること
2.投資先から収益が見込めること
3.投資先が共同事業であること
4.他者の努力によって利益が得られるものであるこ
よって、本章のネイティブトークンも証券法に合致していないという指摘も存在します。
しかし、Polkadot(ネイティブトークン;DOT)というネットワークを開発しているWeb3Foundationは以下のように発表しています;
「PolkadotのネイティブトークンDOTはセキュリティ(証券)ではなく、それは単なるソフトウェアです」
「DOT tokenは設計された目的のために使用されるものであり、とりわけPolkadotネットワークにおけるガバナンスを促進するために使用されるもので、つまり、DOTはセキュリティ(証券)ではなく、ソフトウェアである」
(出典; web3 foundation)
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この発言に対して米国証券取引委員会が認めたわけではありません。しかしながらWeb3Foundationは3年に及ぶやりとりを米国証券取引委員会と行ってきました。
7-3 日常の生活で必要となるトークン
Tokens needed in daily life
さきほどのWeb3Foundationの見解をかんたんな言葉であらわすと、次のようになります;
・社会を便利にするためのソフトウェアを稼働させるためにはDOTというネイティブトークンが燃料のような役割をする
・その便利なソフトウェアをユーザが利用するにはDOTを保有していること、そしてDOTで利用料を支払うこと (DOTは法定通貨で購入すること)
この文脈をさらにわかりやすくするために、現代のガソリン車を例に言い換えてみます;
・ガソリン車というモビリティサービスを稼働させるためには、ガソリンという媒体が燃料の役割をする
・そのモビリティサービスをユーザが利用するにはガソリンを保有していること、そしてガソリンは法定通貨で購入すること
これからのデジタル化社会ではあらゆる業種で「分散型台帳技術を活用したシステムサービス(ネットワーク)」が普及し発展していきます。
そしてそのサービスを動かすべく「役割を定義し設計されて発行されたトークン」(いわゆるネイティブトークン)が各種ネットワーク・システム上で与えられた役割を担い、デジタルサービスが稼働します。
ユーザ(および企業)はそのデジタルサービス(金融・物流・エネルギー他) を利用する際、該当のネイティブTokenを保有しておかなければサービスを利用できない、サービスに参画できないことになります。(またはネイティブトークンをもっていることで、そのサービスを割安に利用できる等)
現代社会では、ガソリンや電気がないと自動車が走らない、自動車が走らないと経済や生活が回らないようになっています。
将来像として、金融・物流・エネルギーなど各種業界で分散型台帳技術を使ったデジタルサービスによって新たな経済圏、ビジネスネットワークが世界的に構築されている動きがあります。
そのように設計された社会で価値をもつのは法定通貨だけではなく、各種のネイティブトークンにも新たな価値の潮流が生じます。
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いまはまだ各種ネイティブトークンの価格は低いです。1ドル未満のネイティブトークンも多く存在します。
分散型台帳技術を活用したサービスやシステムが今後普及拡大していけば、各ネイティブトークンの需要が増え、トークン価格は上昇していきます(ネイティブトークンの多くは発行数量上限が定義されている)。
「投資で儲けるためにネイティブトークンを買う」という面だけではなく、むしろ「そのサービス・システムを利用するためにネイティブトークンを買わなければならない」、そんな社会となった時、1ドル未満だったトークン価格が10ドルになっているかもしれません。100ドル、1,000ドルまで値上がりしているかもしれません。
トークン価格が高騰するということはトークンが必要となった時にわずかな量のトークンしか買うことができません。
ネイティブトークン価格が低い今、リスク分散とチャンスを同時に見据えながら、先行投資を考える機会です。
7-4 ネットワーク維持に貢献し報酬
Contribute to network maintenance and rewards
分散型台帳技術を使ったネットワークやシステムでは、膨大な取引記録を検証し記録する必要があります。その取引記録を検証し記録する方式のことをコンセンサスアルゴリズム(合意形成方式)といいます。
コンセンサスアルゴリズム(合意形成)にはPoW(プルーフオブワーク)、PoS(プルーフオブステーク)のような種類が複数あります。各ネットワークの検証・維持に貢献することで、ネットワーク上での報酬を得ることが可能となっています。
PoW (Proof of Work)
たとえばビットコインでは難しい演算処理を解くマイニングによって取引を検証し、安全性や信頼性の維持に貢献している。ネットワークの合意形成に貢献したマイナー(採掘者)にはマイニング報酬が与えられる。
PoS (Proof of Stake)
保有しているトークンをステーキング(預け入れ)することで取引の承認者(バリデータ)となり、安全性や信頼性の維持に貢献している。ネットワークの合意形成に貢献したリターンとしてステーキング報酬が与えられる。
PoW方式でのマイニング、PoS方式でのステーキングのように各ネットワークの検証・維持に貢献しているノード(通信機器や端末)のことをノードオペレーターといいます。ノードオペレーターとして、マイニングやステーキングをはじめる難易度はさまざまありますが、ユーザビリティの考えられたサービスやネットワークであれば、スマートフォン画面上での数回のクリック操作でステーキング可能なものも多くあります。
7-5 投資するには
To invest
ネイティブトークンに投資するには、暗号資産取引所のアカウントを作成する必要があります。アカウント作成するには、パソコンまたはスマートフォンで必要事項を入力し、本人確認書類をアップロードします。そして数日の審査を経て、アカウント作成完了となります。
暗号資産取引所を介して購入したトークンは、各自のデジタルウォレットへ送金することも可能です。
または各ネットワークがリリースしているソフトウェアウォレットをダウンロードし、そのソフトウェアウォレット上からクレジットカード決済で該当のネイティブトークンを購入することも可能です。購入したネイティブトークンはそのままそのソフトウェアウォレット上で保管されます。
ネイティブトークン個別銘柄への投資ステップについては、以下のような検索キーワードでネット検索をしてみてください。記事更新の即時性が高いブログやWebサイトを参照することを推奨いたします。
▼検索キーワード例;
・「暗号資産取引所 アカウント作成」
・「XDC 投資手順」←トークン名称は適宜置き換え
以上
the end
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8章へつづく
Continue to Chapter 8
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以上